歯科医になったきっかけ
中学生の頃に歯医者に治療に行って、歯医者ってすごいと思ったことが、歯科医を目指したきっかけでした。ただ、親族に歯科医がいるわけでもなく、財力もないから実家から通える学費の安い国立大学を探すと、難関の東京医科歯科大学しかなく、2年浪人して3年目でようやく合格することができました。
医科歯科大学卒業後はすぐに働き始めました。ある時、働いていた病院の院長先生から、田舎に帰るから病院を譲ってくれるという話をいただきました。ですが貯金が足りず、企画書を書いて近くの信用金庫に毎日通いました。毎日門前払いされるのですが、それでも毎日昼休みに通っていると、1ヵ月程したある時に支店長さんが話を聞いてくれて貸してくれることになりました。
のちにその担当者に、何故あの時お金を貸してくれたのか聞くと「絶対にうまく行くと思った。目が真剣だったから」と言ってくれたのがすごく嬉しく、記憶に残っています。
歯科医を子どもたちの憧れる職業に!
僕は経営者でもありますが、日々の診療を何より大切にしています。今も週5日は診療をしていて、それは続けて行きたいと思っています。診療をしている時は余計なことを考えないので、一人一人の患者さんに真剣に向き合うことで嫌なことを忘れられるのです。
もちろん体力的には疲れますが、診療の時間がなくなったらストレスが溜まってしまうでしょうね。24年前、ボロボロの病院で診ていた患者さんが今も来てくれていること。昔に入れた歯が今も機能していることは嬉しいです。若い先生達には僕らの仕事は「自分の命を削って」「歯を削る」んだと、削った歯は戻らないので、真剣勝負だと教えています。僕は人生最後まで歯科に関わって行きたいと思っています。現在、口の中の細菌が心臓病やその他の疾患の原因になっていることが分かり、歯科治療の重要性が再び認識されるようになってきました。アメリカでは、歯科医は子どもたちのなりたい職業のナンバー1、2を独占しています。日本でもアメリカの様に子どもたちの憧れの職業になる様に、残りの歯科医師人生、がんばりたいと思っています。
僕のポリシーは絶対「諦めない」「へこたれない」こと。若い時、失うものは何もなかったので、失敗してもまた一から頑張ろうと、どんなことが起きても前向きに進めました。若い人こそハングリーに、一度きりの人生なので、自分で自分を縛らないでやりたいことに挑戦してほしいです。